第17章 それは・・・蜘蛛の糸のように
陽斗side
いつものように仕事が終わり彼女に
帰宅を知らせるメールをした
何故かあいつらがついてくる
「お前ら・・・いつまで居座る気だ?」
「「ずっと?」」
「・・・・・・はぁ~・・」
「そのあからさまに嫌なため息はやめてくれない?w」
「しょうがないだろう。嫌なんだから。雅人の実家に行けばいいだろう?何で俺んちなんだよ。」
「瑠李がいるから!」
「瑠李ちゃんがいるから!」
見事にハモったセリフに再びため息が出た
マンションの前で数人の住民がたむろっていた
挨拶をして通りすぎようとしたら
「あ!玉城さん!!あの子家にいるの?」
「え?瑠李ですか?居ると思いますけど?」
「さっき、うちの子がベランダから見てたらここで知らない人に車に乗せられてったっていうんだけど・・・・・」
「え?」
その瞬間俺は背中に緊張が走った
(まさか・・・・)
俺は足早にエントランスに入り、部屋に直行した
優季と雅人も追いかけてきた
玄関の鍵を開け部屋に駆け込んだ
「瑠李!!」
優季が呼んでも部屋には返事がない
「るぅ!?」
部屋中探したがどこにも居ない
だけどキッチンには晩御飯の下ごしらえがされていて
彼女の鞄や財布などはすべて置いてある
いつも掛けてあるキーボックスの鍵だけがなかったのだ
「じゃあ、本当に瑠李だったのかしら・・・・」
「でも自分の意志で出掛けるなら鞄とか財布は持っていくよね?」
俺はもう一度エントランスに戻った
「玉城さん!部屋にいた?」
「いえ、居ないです。それはいつですか?」
「20分位前よ。うちの子がベランダで外を見てた時に、お姉ちゃんが連れて行かれたって部屋に言いに来たのよ。だから、部屋に行ったんだけど誰も出てこないから。」
「ありがとうございます。管理人さんは?」
「部屋にいるわ。丁度その時裏手の巡回に行ってたみたいで、あそこにいなかったらしいのよ。」
俺はすぐに管理人室に向かった