第17章 それは・・・蜘蛛の糸のように
一分一秒が凄く長く感じて
「おい、こいつ動かなくなったぞw」
「いいんじゃねぇかwどうせここに捨てていくんだし」
その時携帯電話の音がして男が電話に出た
「おぉ、そうかわかった。じゃあそっちに向かう。例の場所で合流しようぜ!」
「じゃあ、行くか。お金は受け取ったらしいからな。」
「そうだな、長居は無用だw」
足音が遠ざかり声もしなくなったのを確認した私は
彼を呼んだ
「三嶋君?三嶋君大丈夫?」
「・・・ぁあ。なんとか・・・」
少しずつ動いているのが音で確認出来る
「くっそ・・・あいつら・俺の携帯壊して行きやがった。使い物にならねぇ・・・。」
「ごめんね・・私の携帯も壊れてるから・・・。」
そこへ男性が駆け込んできた
「剛志坊ちゃま!!!ご無事ですか!?」
「八木か?・・・・なんとかな・・・・・。よくわかったな。」
「連絡があったんですよ。ここに放置してきたって。」
「あいつらほんとに金目当てだったんだな・・・。」
「だから申し上げたではありませんか!送迎をご利用くださいと!!」
「済んだことはもういい。それより彼女も怪我をしていないか、病院に連れて行ってあげてくれ。」
「畏まりました。」
私は男性に触れられるのではないかとビクビクしていた
「あ、八木!彼女には女に付きあわせろ。」
「畏まりました。では、坊ちゃまは別で搬送しますのでこちらへ。」
そこで私は目隠しを取られて一気に視界が開けた
目の前には初老の男性と女性のメイドの格好した人が居た
「さぁ、お嬢様参りましよう。」
その女性に手を惹かれ私は車に乗せられた
「病院に着くまでお休みになって頂いても構いませんよ?」
そう言われたが私は一刻も早く家に・・・・・
ハルさんに会いたかった
「怪我など何もしてないので、自宅に向かってください・・・早く帰りたいですから。」
「畏まりました。」
マンションの前に着くとエントランスの入り口にパトカーが止まっていた