第17章 それは・・・蜘蛛の糸のように
ふと、意識が浮上した時目隠しをされていて
ズキンとした痛みが頭に走り
手を頭に持って行くとジャラという鎖の音がして
両腕は両端に手錠の輪っかがついた鎖の物で
拘束されていた
海の近くだろうか・・・
潮の匂いがする
「う・・・うーん・・・」
「三嶋君!!しっかりして!!大丈夫!?」
声がするけど目隠しのせいで何も見えない
「こ・・ここは?くっそ・・・縛られてて動けねぇし!何なんだよ。」
「わかんない・・・海の近く・・・みたい。」
三嶋くんも縛られていて動けないようだった
そこへ男が入って来た
数人いるのか足音が複数した
「目が覚めたかい?お二人さん。」
「お前は一体誰だ!?」
「威勢がいいなぁ。坊っちゃんよwあぁ、女の前だからイキってるんだろ?w」
「何が目的で俺たちを誘拐したんだ?」
「さっきお前の携帯から親にかけて身代金を要求した所だ。すぐに用意するってお前のママが言ってたよwさすがだなw」
「彼女は関係ない!だったら彼女は開放してくれ。」
「俺達は金さえ貰えれば、お前にも用事は無いからな。さっさと開放してやるよ。まぁあと一時間もしない内に開放されるさ。金さえ貰えればなwサツに言ったらお前らの命は無いって言ってあるからな。焦ってたぜwクックックww」
私はその会話を黙って聞いていた
恐怖から体の震えは止まらない
(ハルさん・・・・お姉ちゃん・・・・助けて・・・・)
心の中で何度もそれを繰り返し願っていた
「大丈夫だから・・・大野には何もさせないから。」
「三嶋君・・・・・・」
「おやおや、睦まじい光景だな・・・。そうだな・・・お前は金になるけど、この女は金にならねぇもんな。だったら違う事に役立って貰おうかな・・」
「彼女には指一本触れるな!!」
「うるせぇんだよ!!てめぇは大人しく黙ってくたばってろ!!!」
そのセリフと同時に三嶋君は蹴られたのか、
ドカッと音がした
「やめて!!三嶋君!!蹴らないで!!!」
そう懇願する間も何度も何度も蹴られているようで
床に転がされているだろう
彼は蹴られる度に呻き声を出す
視界を遮断された私は状況を確認出来ない
「三嶋君!三嶋君!!お願いこれ以上彼を蹴らないで!!」