第16章 それぞれの準備
名前を聞いて俺は納得した
あの気持ち悪いメールを送ってきていた相手だと・・・
「さぁ、行こうか?大野。帰りはもちろん家まで送るから大丈夫だよw」
そう言いながら彼女の腕を引っ張った
「・・・ぃやだ・・・・・ゃめ・・・て・・・。」
それを聞いた俺は、身体が勝手に動いていた
俺はるぅを抱き寄せてその男から距離を取らせた
「え?なんだよ。あんた!何するんだ?」
そう言い放った男の腕を雅人が捻り上げた
「お前のその汚らしい手で彼女に触れるな!」
「いてぇな!離せよ!!何なんだよ!あんたら!!」
「超カッコ良いw誰々!?w」
「マジで二人ともかっこいいじゃんw瑠李の知り合い??」
「はい!そこのバカ男!!」
一斉に声の方に振り向くと
「あたしの妹に手を出そうなんて10年早いわよ!?あんた程度の男、許せるわけ無いでしょ?さっさとお帰り!w」
「お・・・お姉ちゃんw」
「お姉さんなの!?w」
「さぁ、帰るよ。」
その場に居た全員が呆気に取られていた
横を見るとるぅは手が震えているのか
表情が暗かった
俺は手を握り歩き始めた
るぅは俯いたままでそのまま手を繋いでいた
前を歩いていた優季が振り向き
「雅人とデートしてから帰るから、先に帰っててw」
「わかった。」
そう言うと二人はマンションを通り過ぎていった
エレベーターに乗っても無言だった彼女に問うた
「怖かった?」
すると無言で頷いた
「あいつだよな?メールの相手。」
再び無言で頷いた
家に入り彼女の部屋の前で聞いた
「1人で居たいか?」
彼女は首を振った
「そうか・・じゃあ映画でも観るか。とりあえず着替えておいで、リビングで待ってるから。」
彼女は静かに部屋に入りしばらくするとリビングに来た