第16章 それぞれの準備
リビングでソファーに座っていると
部屋着に着替えたるぅが入って来た
自分が座っている横をポンポンと叩くと
そこに無言で腰を下ろした
俺はそのままDVDの映画をセットして観始めた
彼女は俺の腕にしがみつくように引っ付いていた
「大丈夫か?」
「・・・うん。」
「大丈夫じゃないだろ?無理しなくていいから。何かして欲しい事あるか?」
すると彼女は消え入りそうな小さい声で言った
「・・・ぎゅっ・・って・・して欲しい・・・・。」
そういった彼女は頬を少し紅く染めていた
「・・・・おいで。」
そう言いながら腕を広げると
甘えるように胸にもたれ掛かってきた
彼女は俺の背中に腕を回して顔を埋めたままだった
「るぅ・・・良かったな。雅人の両親と挨拶が終わって。このまま暮らせることになって。」
「うん。ここが・・・・今の私には居心地がいいから・・・。」
「俺もだ・・・。るぅがいると家に帰ってくるのが楽しみだ。」
「ご飯が出来てるから?w」
「そうそうw旨いメシが出来てるから・・・っておいw」
「フフフw嘘だよ・・・・ハルさんさっきはありがとう。嬉しかったよ・・。」
「あいつ気をつけろよ?危険な感じがするから。」
「うん。大丈夫w気をつけるから。」
結局そのままの状態で彼女は眠った・・・・・
(また、動けねぇ・・・)
そこへ・・・・酔っぱらいがハイテンションで帰ってきた
「瑠李ー!ハルー!!たっだいまぁ♪」
「ハル、ただいま。」
「うるさい。静かにしろ。」
俺の膝の上に目をやった二人が固まった
「え?膝枕!?w」
「え?ハルが女の子の為に膝枕!?w」
「雅人!これはビックニュースよ!!w」
「明日は槍が降るんじゃないのか?w」
「うるさい!酔っぱらい!早く寝ろ!」
「あんたは寝ないの?」
「俺は映画を観終わったら寝る。」
「瑠李はどうするの?」
「その時にでもベットに運ぶよ。たまにある。」
「なんて無防備なんだw瑠李ちゃんはww普通の男なら襲われてるぞw」
「ハルだから大丈夫なだけねw」
「その油断が命取りだな・・・。」
「「はっ!!??」」