第15章 姉と妹
陽斗side
突然台風のように帰ってきた優季と二人で晩酌を交わした
「で?本気で考えてるのか?」
「養女の件?」
「それしかないだろ?」
「雅人の考えはね・・・そうすれば家に住むのに理由になるからって。」
「理由?ただ一緒に住むってことじゃダメなのか?」
「きっと・・・・瑠李が気にして一緒に住まないと言い出すと思うから。それだったら・・・・・戸籍に入れて家族になれば、住む理由になるから・・・。」
優季が話す事はきっとるぅのことを考えて
出した答えなんだろう
だけどそれをるぅが望んでいないように見えた
何もトラブらなければいいのだけど・・・・・
優季はそのままリビングの横の和室に
布団を敷いて眠りについた
次の日、俺はいつもの時間に目を覚ました
いつものようにキッチンからはいい匂いがしていた
キッチンの入り口に立って声を掛けた
「るぅ・・・おはよう。」
手は止めずに顔だけ振り向いて答えた
「おはよう・・ハルさん。」
「よく眠れたか?」
そう聞いた瞬間、彼女の表情が一瞬曇ったように見えた
「うん。眠れたよwあ、お弁当出来てるから、置いておくね。」
「あ、あぁ、サンキュ。あれ?もう行くのか?」
「うん。今日は早めに行くの。委員会の仕事があるから。」
「そうか。気をつけていけよ。」
「うん、ありがとう。ハルさんもね。晩御飯作るから連絡してねw」
「あぁ、わかった。帰る前に連絡する。」
「じゃあ、いってきます。」
いつもの明るい顔ではなかったのが気になった
「瑠李、学校行ったの?」
出て行ったのを確認してから声をかけてきた
「あぁ、今日は委員の仕事があるから早く行くんだと。」
「そっか・・・・。」
「一応気にしてるのか?」
「一応って何よ!?w」