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妖からの贈り物【おそ松さん】

第7章 ※出会いと別れ



……━━俺が廉に初めて会ったのは、廉がまだ幼い時だった。

その日特にすることが何も無く、俺は野良猫達と話をしていた。そんな時、ふと誰かの叫び声を耳にした。


「ゴメン皆、ちょっと見てくる」

「「「にゃぁ~」」」


叫び声が気になった俺は、その声がした方向に掛けて行った。元居た所からそれほど離れていない所で、声が段々と鮮明に聞こえてくる。


「待てぇ!!小娘!!」

『此方来るなバーカ!!』


あれは、人間?……チッ、俺達の縄張りで勝手に何してんだ。

一松は更に走るスピードを上げ、人間と髭の生えた妖の間に入る。その妖は俺の姿を視ると眼を見開き、怖じ気づいて飛んで行った。


「……ククっ…大した事無かったな」

『誰?妖?』


後ろから人間に声を掛けられ、俺は振り向いた。振り向いた瞬間、俺は目を見張った。
何故なら昔死んでしまったあの子に似ていたから…
でも見た目は随分と幼い。


『??猫の妖?』

「ぎにゃあ!!何!?急に尻尾触らないで!!」

『助けて…くれたんだよね?』


見た目は幼くても、あの子とどうしても重なってしまう。俺は溜め息を吐いた後、目線を合わせる様にしゃがんだ。


「お前…名前は?こんな所で何してんの?」

『廉。フワフワしたのに着いて来たら迷子になって…そしたら変な妖に追い掛けられて…』


迷子って……はぁ、仕方ない。面倒くさいけど、送り届けてやるか。


「廉の家は何処?」

『廉の家は此処にはないの。おばぁちゃん家ならある』

「え、じゃあ、おばあちゃん家は何処?」

『……分かんない』


……まぁ、まだ幼いし道とか覚えられる訳ないか。
そうだな、取り敢えず道路に出れば分かるか?親も探してるだろうし。


「はい、背中乗って。親の所まで連れて行ってあげるから」


廉にしゃがんだ状態で背を向ける。しかし廉は背に乗ることなく、ただ立ち尽くしていた。


「……ほら、早く乗って」

『ヤダ……知らない妖に着いてっちゃダメだってお母さんが言ってた』

「えー…そうなの?」

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