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妖からの贈り物【おそ松さん】

第7章 ※出会いと別れ



ただ聞き返しただけなのに、一松に頭を掴まれグリグリとされる。


『うわっ、何で!?』

「早く寝なよ…」

『う……はい』


一松の圧に押され渋々布団に潜る。しかし一度目覚めてしまったため、眠気は何処かに行ってしまった。
ぼーっとしていればその内眠くなるだろうと思い、天井を眺める。


「寝れないの……?」

『うん……眠気が飛んだ』


中々寝ない私に気付いた一松に声を掛けられた。

と言うか一松は何時までこの部屋にいるのだろう…いや、そもそも何時から居たんだろう。寝る前は居なかったけど……


「ハハ…こんなゴミが居たら寝れないよね。外に十四松が居るから代わって来る…」


また出た…!!急なネガティブ!
でも、十四松に代わったら逆にエネルギッシュ過ぎて寝れなさそう。


『あ…うーん、何かお話してくれたら寝れるかなぁ』


咄嗟に出た提案に、"私はちっちゃい子供か!?"と心の中でツッコむ。
流石に馬鹿にされるよなぁと思っていると…


「……良いよ」

『えっ!?』

「何で驚くの。自分が言ったくせに…」

『いやまさか話してくれるとは思わなくて…』


驚きが隠せない私に対して、一松は冷静だった。


「どうすんの?聞くの?聞かないの?」

『…聞きます』


そう言うと、一松は分かったと答えて窓辺の下に寄りかかるように膝を抱えて座った。


「…始めに言っとくけど、俺話すの下手くそだから」

『うん……何の話をしてくれるの?』


一松は少し悩んだ後こう言った。


「……俺が廉と初めて会った時の話」

『初めて会ったのって……一週間位前だよね?』

「違う……もっと前から会ってる。ただ廉が忘れてるだけ」


忘れてる?こんな個性の強い妖、会ったら忘れそうに無いと思うけどなぁ…

一松の方をチラリと視ると、体育座りの一松と目が合い直ぐ反らされた。


「あんま此方見ないで…話しづらい」

『あ、ごめん』


一松から慌てて目線を天井に向ける。
そのまま天井を眺めていると、一松がポツポツと話し出した━━……



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