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妖からの贈り物【おそ松さん】

第7章 ※出会いと別れ



またこの夢だ……でも何時もと違って顔に黒いモヤがかかっていない。

あれは…おそ松?それにカラ松達も。

おそ松達が何かに向かって叫んでる。目線の先には男の人が木にくくりつけられた女の人に刃物を向けていた。

あれ……あの女の人、私に似てる?


リイィィィイイイン━━…


『痛っあ!!』


次々頭に流れていく映像と共に突如頭痛に襲われる。頭の奥がズキズキと痛み、眼が眩んだ。

何これ…!!!

治まらない痛みに意識を飛ばしかけたその時、誰かに呼ばれた。それは段々と鮮明な声になっていく。


「……廉!!」

『………っは!!!』


目を開けた途端飛び込んで来たのは、一松の不安そうな顔。
全身を駆け巡るヒンヤリとした感覚に汗ばんだ身体に張り付く服が気持ち悪い。


「大丈夫…?凄い魘されてた…」

『……っはぁ…大丈夫』

「怖い夢でも見た?」

『……覚えてない』


確かに夢を見たという覚えはあるがどんな夢だったかは覚えてなかった。


「これ…使って」


目の前にタオルを差し出された。私は素直にタオルを受け取って、そこに顔を埋めた。柔軟剤の良い匂い…


『ありがとう…ちょっと顔洗ってくる』

「……うん」


タオルを持って洗面所に向かう。
バシャバャと冷たい水を掛けベタつく汗を流す。タオルで顔と身体を拭いたら、やっと気持ち悪さから解放された。

二階に戻ると一松は窓辺に座って何処かを眺めていた。一松は部屋に戻ってきた廉に気付き振り向く。


「やっぱり悪夢を見たのは俺のせいだよね…俺なんかが側に居るからいけないんだ…」


私を見た途端、負のオーラを出す一松に一瞬戸惑う。


『え、そうかな……あ、あー…何で一松は此処に?』


取り敢えず話を反らしておく。


「……明日俺が廉の護衛だから……本当はクソ松だったけどヘマしたから外された…」


明日…?まだ日付変わってないんだ……ん?クソ松って誰だ…


「……俺が側に居れば、こんな思いさせなかったのに」

『……?ゴメン今何て言ったの?』


一松の呟くような声を上手く聞き取れず、聞き返した。
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