• テキストサイズ

妖からの贈り物【おそ松さん】

第1章 鈴の音



後ろから声が聞こえ振り返る。
すると、目の前にぼふんッと白い煙が現れた。

その白い煙は次第に消え、中から妖が現れた。
赤色の着物に黒っぽい羽織を身に纏い、フサフサの尻尾が4本に獣耳が生えている。

人では無さそうだ…


「ちょっと、あんまり見つめないでよ~。
俺照れちゃうじゃん」

『………は?』


何だコイツ。
何言ってんだ?


「だ~か~ら~、あんまり見つめないで…」


いきなり声のトーンが下がったかと思うと、一瞬にして目の前へと移動していた。
思わず後退りをするが、腰に腕を回され動けなくなる。


しまった…!!


そう思ったのも束の間私は顎を掴まれ、唇に柔らかいモノが触れた。

それが妖の唇だと気付くのに、そう遅くは無かった…

私は目の前の妖から離れようと、肩を強く押すがびくともしなかった。
私の顎を掴んでいた手が後頭部へ移動する。


『ちょっ……んっ……』


文句を言おうと口を開くと、その間からヌルッとした舌が差し込められた。
なめていた飴が奪われ、唇が離れる。


「顔赤くして、可愛っ……!!」

「ゴルァーー!!クソ天狐!!!
てめェ何しとんじゃー!!!」


ごんっ!と凄い音がしたかと思うと、妖が私から手を離し悶絶する。

「いっっつあ~~……!!」

すると何処からか現れた、緑色の着物を着た妖が赤い着物の妖の首根っこを掴み、私から離れた所まで引きずる。


「……何すんだよ!チョロシコスキー!!もう少しで飴が喉に詰まるとこだったわ!!」

「あぁ?!!自業自得だろうが!!……って、誰がチョロシコスキーだ!!」


2人の妖が言い争いをしてるのを唖然として見ていると、ふと肩をつつかれ正気に戻る。

/ 113ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp