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妖からの贈り物【おそ松さん】

第6章 妖界へようこそ!!



~廉side~


『………んん…』


動くと痛みが走るお腹。手首は縛られているようで動かせない。
うっすらと開けた目に映ったのは和室と私を取り囲む鬼達。


「やっと起きたようだな、嬢ちゃん」

『お前は…』


妖界に来た時、外灯の所で会った顔の厳つい鬼だ。
鬼は口の端を持ち上げると、私の着物を掴み無理やり座らせた。お腹の痛みで顔が歪む。


「嬢ちゃんには悪いが、アイツらを誘き寄せる餌になって貰う」

『…っ誘き寄せてどうするの?』

「そりゃあ、殺すに決まってるだろ!?」


高らかに笑う鬼達に対し眉間に皺を寄せる。
コイツらがあの私を狙ってるという奴等なのか?


『どうして殺そうとするの?』

「あぁ?さっきから質問ばっかなぁ?」


顔の厳つい鬼の横から、チンピラのような鬼が言った。それを厳つい鬼が制する。


「おいおい、良いじゃねぇか。話してやれ」

「ウス……あれは200年位前だった。
突然俺達の縄張りに踏み込んできた妖が6人いた。
そいつらは俺達の仲間を、次々と倒していった…っそして俺達はっ……縄張りを失った!!
……だが、ある時を境にその妖達は消え、また俺達の時代になった!!
なのに、またアイツらは現れてっ…俺達の縄張りを奪っだんだよ!!!」


泣き叫ぶ見た目がチンピラの鬼。奥にいる鬼達も思い出しているらしく激しく頷いていた。
ちゃんと説明するんかい。


「だから、俺達はアイツらをブッ殺す!!!」

「そういう訳だ嬢ちゃん。大人しくしてりゃあ悪いようにはしねぇ」


厳つい鬼の手がスルスルと身体をなぞるように、服の上から滑べらせる。
気持ち悪さが瞬時に全身へと渡る。


「おい!お前らは部屋から出ていろ!!」


他の鬼達は部屋の襖を閉め、出ていった。部屋には目の前の鬼と私だけとなってしまった。
鬼は舌なめずりをすると、私の着物の襟に手を入れた。

私は堪えきれず鬼の腹に蹴りを入れる。
鬼は一瞬怯んだものの、肩を物凄い力で掴み押し倒される。鬼の鋭い爪が肩に食い込んだ。


『痛っ…!!!』


痛みで眼からは次々と涙が溢れ落ちる。


怖い、怖い、怖い…


廉の身体に恐怖が襲う中、近くで叫び声が上がった。叫び声はどんどん大きくなっていく。

すると、部屋の襖が勢いよく開かれた。
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