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妖からの贈り物【おそ松さん】

第6章 妖界へようこそ!!



カラ松は周辺の妖を驚かせないように、うどん屋の屋根に降りた。トド松はカラ松の背から降り、路地裏に降り立った。
二人はうどん屋の表に回り、お店から出てくるお客を避け中へと入った。


「いらっしゃいませ!!……って、お前らかよ」

「あ、いらっしゃいませ!!」


彼等はこのうどん屋を経営している狛犬の双子だ。
群青色の髪を後ろに結い、目付きの悪い方が兄の駒。
朱色の髪を二つに結い、可愛いらしい方が妹の真火ちゃん。

店内にお客さんは居らず、さっきすれ違った人達で最後だったようだ。
僕はカラ松と目を合わせ同時に頷く。


「今日はお客としてでなく、二人に相談があって来たんだ」

「……探して欲しい人がいるんだよ」


そう二人が言うと、双子の兄駒が容赦なく啖呵を切った。


「はぁ!?何で客でも無いお前らに協力しなきゃいけねぇんだよ!」

「ちょっと兄さん!」

「…お願いします!!大切な人なんだ!!」


トド松は自分の無力さを噛み締めながら、床に膝をついた。カラ松も隣で床に膝をつく。

まさか土下座までされるとは思っていなかった駒と真火は目を見開いた。


「トッティ!カラ松さん!そんな土下座なんて…!」

「トっ…!!はぁ!?」

「兄さん!!協力してあげましょう!!二人がこんなに頭を下げているんだもの…!」

「…真火がそう言うなら……話なら聞いてやらない事もない」


駒の一言にバッと頭を上げ、カラ松と目を合わせると小さくガッツポーズをした。
それから店を一旦閉めた駒達に廉ちゃんの事を伝えた。勿論人間だって事は伏せて…


「っ大変だわ!兄さん助けてあげましょう!!」


真火ちゃんが椅子に座る駒の肩を揺さぶる。駒は溜め息を吐くと口を開いた。


「お前らにとって大事なヤツなのか?」

「うん!」
「あぁ!」

「……良いだろう。但し条件がある」

「「分かった!」」

「ふっ……よし決まったな。そいつの所持品はないか?」


僕は懐に入れていた廉ちゃんのヘアクリップを取り出し駒に渡す。
駒はそれを受け取り、自分の鼻に近付けにおいを嗅ぐと店の外に出た。


スウゥゥゥ……


「見つけた……真火、店は頼んだ」

「うん!」


駒はついてこいと僕達に言うと、一気に走り出した。僕達も駒の後を追う。

待ってて廉ちゃん!
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