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妖からの贈り物【おそ松さん】

第6章 妖界へようこそ!!



『……妖界って』

「そう妖が住む世界だよ」

『ちょっ、ちょっと待って!そんな所に行ったら私、妖に喰われるじゃん!!』

「そうならないようにちゃんと対策を用意してきましたー!!」


ジャーン!!と何処からか白い着物を取り出した。
そして気付くと、あっという間にその着物を着せられていた。


「廉ちゃん凄く似合ってるよ!!」

『いやいやいや…だから私、妖界なんて行かないよ?!』

「大丈夫!!その着物は幻術がかかっているから、他の妖達は廉ちゃんが人間だって気付かないよ!
しかも幻術の得意なおそ松兄さんにかけて貰ったし!」

『えー……でも絶対安全ではないでしょ?』

「そこは僕もいるから大丈夫!僕が廉ちゃんを守るよ!」


そう自信ありげに言われてもなぁ、イマイチ説得力に欠けるというか……でも妖界ってどんな風になっているのか見てみたい気もする。


「ねぇ行こうよ廉ちゃん!!」


トド松に腕を引かれたその時、家のインターホンが鳴った。


『ごめん、ちょっと出てくるね』


トド松に手を離してもらって、私は玄関に急いだ。今日誰か家に来るとは、おばぁちゃんから聞いていなかったのだが……


『はーい、今開けますね』

「やあ、ハニー……っ着物、似合ってるぞ!ま、まるで天より舞い降りし、天女の様だ!!」


戸を開けると、そこに居たのは背中に黒い羽の生えた烏天狗のカラ松だった。
カラ松はにこやかに微笑み、サングラスをかけた。


『ハニーって誰ですか、妖違いですね』

「ウェーイト!!閉めないでくれ廉!今日は用があって来たんだ」

「廉ちゃん誰が来たのーってカラ松兄さん!?」

「フッ…トド松、お迎えに来たぜ!」

「迎えなんて頼んで無いんだけど」


カラ松の意味不明な言い回しに、ドライなツッコミを入れるトド松。
言い争っている今の内に、この着物を脱いでしまおう。元々着ていたTシャツの上に着せられていただけだし。

こっそりその場を抜けようとしたが、トド松に一瞬にしてバレ引き寄せられてしまった。
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