• テキストサイズ

妖からの贈り物【おそ松さん】

第6章 妖界へようこそ!!



今日は生憎の雨だ。
でもザーザー降りという訳ではなく小雨程度。

そして現在、私は家の玄関にいた。


「ごめんなさい廉ちゃん。折角遊びに来てくれたのに、お家に一人にさせちゃって……」

『いいよ、楽しんできて!』


今日からおばぁちゃんは、老人会の二泊三日の温泉旅行に出掛ける。
私が此処に泊まりに来る前にはもう決まっていた話だった。
しかし一人暮らしの練習にもなるという事で、私はこの家にお留守番する訳となった。

バスの後ろ姿に手を振り、見えなくなると一人家に入った。


「廉ちゃん聞いてないよ!家に一人で留守番するなんて!」

『別に教える事でもないかなーって』

「教える事だよ!!廉ちゃんの身の回りの情報も、なるべく知っておきたいし!」

『……ストーカー』
「ちがーう!!」


手を腰に当て上目遣いで怒っているのは、雪女(男である)のトド松だ。

この夏休み、田舎のおばぁちゃん家に遊びに来てからというもの変な妖6人にまとわり着かれている。
その理由は私の"霊力"が、何かの悪い組織に狙われているからだと聞かされた。その使い道はこの村の昔話に関係しているとか…


「ちょっと聞いてるー!?」

『はいはい、聞いてるよー』

「いや雑か!?……まぁ、良いけど。そうだ、今日廉ちゃんは何か予定とかってあるー?」


今度は小首を傾げての上目遣い。
その一々上目遣いをするのは何だ……


『特に無いけど』

「本当!!良かったー!じゃあ、今日は僕とデートしよっ!!」

『……デート?嫌だよ、しかもこんな雨の日に』

「えー、何で僕とだけしてくれないのー?おそ松兄さん達とはしたのに?」

『それはデートじゃない!!お使いに勝手に付いて来ただけ』


あ、でも十四松とはお使いに関係なく、川に遊びに行ったな……デートではないが。


「本当かなぁ?…でも今日はする事無いんでしょ?僕が良い所に連れていってあげる!」

『何処にそんな所が……』

「フフフッ…"妖界"にデートしに行こう!廉ちゃん!」
/ 113ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp