第1章 鈴の音
翌朝
私は少し寝ぼけ眼になりながら朝食を摂っていた。
因みに朝食のメニューは、ご飯に味噌汁。
そして、鮭の塩焼きにおつけものだ。
いつも朝食はパンで済ますので、朝から白米というのは久しぶりだ。
「お口に合うかい?」
ちゃぶ台を挟んで、私の前に座っているおばぁちゃんが聞いてきた。
『…うん!美味しいよ!』
ちょっと反応が遅れながらもそう答えると、
「そうかいそうかい。廉ちゃんのお口に合ってよかったよ」
そう、おばぁちゃんは嬉しそうに微笑んだ。
『あっ、そうだ!
今日何かしてほしい事とかある?
あったら、代わりにやるよ!』
「してほしい事?…そうだね…」
『あー、その辺の草むしりとか?お使いとか?
何かない??』
おばぁちゃんは少し悩んだ末に、家の庭の草むしりを私に頼んだ。
私は二つ返事で返すと、残りのご飯を素早く食べ終え準備に取り掛かった。
『…っし。始めるか!』
頭に麦わら帽子、手には軍手。虫除け、日焼け止めバッチリ。
完全装備だ。
私は足元に生えた雑草を手作業で抜いて行く。
草刈り機とかあれば少しは楽なんだが、生憎おばぁちゃん家には無いようだ。
暑さで汗がタラタラと流れ、それを首にかけたタオルで拭う。
プチプチと地道に作業を進めて行くと、およそ一時間ほどで草むしりが終わった。
『しゅーりょーー!!』
高々と拳を上げ、ずっと低姿勢だった体を名一杯伸ばした。