• テキストサイズ

妖からの贈り物【おそ松さん】

第5章 探し物



~おそ松side~


木の枝を蹴り飛ばし、更に上の枝に掴まる。
そしてそのまま腹筋と遠心力を使い、その枝に着地した。
辺りをキョロキョロと見渡し、確かこの辺だった筈だと鍵を探す。

と、そこでもう1つ上の枝に鳥の巣があることに気付く。
ヒョイッと、その枝にも跳び乗り鳥の巣に視線を移すと案の定お目当ての鍵があった。


「おーい、あったぞー!」


下にいる廉に聞こえる位の声で知らせる。

鳥の巣に近付き鍵を手に取ると、巣の中に鍵の他にもキラキラと光る物があり、カラスってやっぱ光る物が好きなんだな~と呑気な事を考える。
その時カラ松が浮かんで来たのは、アイツには話さないでおこう。

あー、思い出しただけであばらにヒビが入った気がする。

1人でクツクツと喉を鳴らしていると、フワリと風が吹いた。
木々がガサガサと音を立てる。


「はぁ~、ビール飲みてぇなー!!」


グーんと体を伸ばし、下にいる廉の元へ降りようとした時、カラスの巣の中に見覚えのある物が視界に入った。


「…どっかで見たな~、これ。何処だっけ?」


見付けたのはシルバーの小さい魚の飾りがついているピンだった。

何処で見たのか記憶の糸を辿っていると、下の方から叫び声が聞こえた。


『ぎゃあぁぁぁああ!!!出たーーー!!!!』

「廉!!」


間違いない。叫び声が女子ではないが、この声は廉だ!!

しかしその時、俺の目の前は羽音と共に黒く染まった。


……


おそ松が木に登って、鍵があった事を知らされてから中々降りてこない。

鍵…あったんだよね?

少しの不安を抱いていると、サァッと風が吹いた。
木々がガサガサと音を立て、つい肩がビクつく。

妖とかいないよな…

周りをキョロキョロと見渡して安全を確認する。
周りは特に異常はなくひと安心をしたその時、後ろからパキッと枝を踏む音が聞こえ、急いで振り返る。

そこに立っていた人物に、廉は身の毛がよだった。


『ぎゃあぁぁぁああ!!!出たーーー!!!!』


廉の恐怖の叫び声が山に響いた。
/ 113ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp