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妖からの贈り物【おそ松さん】

第5章 探し物



そのままそっと、私を地面に下ろす。
つい先程ぶりの地面に少しホッとしたのもつかの間、肩に少し強目に手を置かれ驚く。
顔を上げると、手の主はうつ向いて言った。


「あのなぁ…そんなにじっと見つめられると、俺だって我慢できなくなっちゃうよ?
只でさえ、移動中も廉の胸が当たって危ないんだからさぁ。
何、誘ってんの?ヤっちゃう?」

...

『はぁぁあああ!!?な、何言ってんの!?
誘ってませんけど!!』


平然と何言ってんだこの人!!
……あ、妖か。


「ぜってぇー誘ってたって!!」

『誘ってません!!』

「じゃあ、何で見つめてたんだよ?!」

『そっ、それは……』


綺麗だったので見てましたー、だなんて言えるわけ無い!
だって相手はおそ松だ。
多分調子に乗るし…それは面倒くさい。
どう誤魔化そうか考えていると、不意に腕を引かれバランスが崩れよろける。


『ちょっと、何するんん"…』

「静かに、誰か来る」


文句を言いかけた所で、おそ松に口を抑えられる。

おそ松は耳を立て、周りの音を聞き漏らさない様に神経を研ぎ澄まさせていた。
真面目な雰囲気に、これは冗談では無いと分かる。

組織の奴等か、それとも妖か、私にはさっぱり分からない。
しかし、おそ松から伝わってくる雰囲気からただ者ではない予感がする。


ガサッ


草が揺れる音がしたかと思えば、黒っぽい物体が突撃してきた。
そして、キラリと光る金属物。


「オラアァァア!!」


その瞬間、おそ松は私を脇に抱えるとひょいッと攻撃をかわしストンと木上に着地した。
そのまま木上に下ろされ、突然のことでちょっとクラっとしたがおそ松が支えてくれた。

私はふと、前に目を向け驚いた。
木下にはピンクのカチューシャを着け、紺色のセーラー服で大太刀を構える人が立っていた。


『お、女の子!?』

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