• テキストサイズ

妖からの贈り物【おそ松さん】

第5章 探し物



うーーん……
どうしよう、今のこの状況凄く嬉しいんだけど…
あ、えと、廉が泣いてる事が嬉いんじゃなくてね……そのーす、好きな子が無防備な姿で俺の腕の中にいるって……

もっと触れたくならね?

廉が泣き始めちゃってから少し時間が立ったけどさ、そろそろ俺の我慢の限界が……

でも、この良い雰囲気を壊す訳にもいかねぇし?
ど、どうしよう……


すると、俺の着物を掴んでいた手が離れ胸をそっと押される。
廉の背中にあった俺の手は廉の腕に留まった。
うつ向いていた廉の顔を覗き込めば、案の定目の周りは少し赤くなっていた。


『……ごめん、もう大丈夫…』


ボソッと呟かれたその言葉はちゃんと俺の耳にも届いた。
ほわっと胸が温かくなる。


「ほんとに?本当に大丈夫?もっとギュッとしてやろうか?」


廉の腕にあった手をまた背中に戻しギュッと抱き締める。


『ちょっ…もう大丈夫って言ってるでしょ!!』


うがー!!と俺の腕の中で暴れる。


「えー…」

『えー…じゃない!!離せ~~!!』


尚も暴れる廉に、ある事を思い付きにやけつつ俺は言った。


「よし分かった!じゃあ、ご褒美頂戴?」

『ご、ご褒美?』


ピタッと動きを止める廉。


「そ、ご褒美」


腕を緩め、手を廉の顔に添え唇が触れあう位のキスをする。

顔を離すと目を見開き顔を真っ赤に染めた廉がいた。


『~~~~~っ…!!』

「ご馳走様」


廉の可愛らしい反応に思わず頬が緩む。


『こ、この変態がーー!!』

「ごふぁっ!!!」


突然、不意討ちの見事なボディーブローをもろに食らう。

畳に派手な音立てて落ち、走り去る廉の後ろ姿を目だけで追う。


「はは、は、すげーな廉。あんなの何処で覚えたんだ?」


畳の上でゴロンと仰向けになり、ふと思い出すのは顔を真っ赤に染めた廉の顔。
時間差で自分の頬が熱を持つのが分かる。


あぁ…やっぱ好きだな…


今度こそ守るから、廉。
/ 113ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp