第5章 探し物
だから何で倒れてんの!?
………もう、構うのは止めよう。うんそれが良い。
直ぐくっついてくるし。
おそ松の横を通り過ぎ、1階へ下りて台所に行くと案の定おばぁちゃんが料理をしていた。
おばぁちゃんに声をかけ私も料理の手伝いをする事になった。
私は味噌汁、おばぁちゃんは目玉焼きwithベーコンを作る。
今日は少し洋風なようだ。
因みに私が作っている味噌汁の具材は茄子と大根。
台所は野菜を切るトントントンという音や卵を焼くじゅー…という音で賑やかになる。
おばぁちゃんがお皿に目玉焼きやプチトマトを盛り付けている頃、私は味噌を溶かしかき混ぜる。
味噌の良い香りがフワリと漂い、ついお腹が鳴ってしまう。
混ぜ終わり、出来た味噌汁をお椀に移し居間に運ぶ。
ちゃぶ台には美味しそうな朝食が並んだ。
「いただきます」
『いただきまーす!』
2人が揃うと、手を合わせ朝食を頂く。
やっぱ、自分達で作る朝食は何時もより美味しく感じる。
モグモグと食べ進めていると、おばぁちゃんが箸を止め言った。
「廉ちゃん、今日また神田さんの所にお使いに行って来てくれないかしら?」
今日も特に予定はなかったので、勿論2つ返事で返した。
「…ふーん。ま、俺も行くけどね」
『いや、おそ松は来なくても良いよ』
「え、何照れてんの?」
『テレテナイデス』
おそ松の言葉をさらっと受け流し、止めていた箸を再開させる。
…………あ。
顔を上げると、不思議そうに此方を見るおばぁちゃん。
やばぁぁい!!普通に受け答えしちゃったよ!!
ど、どうにかしないと!!
『ハハハハハっ………えーっと、只の独り言だから!き、気にしないで!!』
ハハハ…と笑い、何とか誤魔化そうとするのだがおばぁちゃんはまだ不思議そうな顔をしている。
おそ松はと言うと、人の朝食をつまみ食いしていた。
おい、コラ。