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妖からの贈り物【おそ松さん】

第4章 霊力



チョロ松の言葉に廉は数回瞬きをした。


『…はぁ!?いやいやいや。実話って…』

「あくまで、"もし"の話さ。もしこれが本当の話だったとしたら、奴らの行動も説明が付く」


…た、確かに筋は通っている。
でも、"もし"の話でしょ?そんな怪物が本当にいるわけっ……いや、現に妖という変なのがいる訳だし。


『…あ、でも話だとその怪物って旅人が倒したんじゃなかったっけ?』

「んー、確かに倒したかもしれない。でも、封印したって手もある」


消えた妖…
何か悪い事を企む悪い奴等…
そしてこの村の昔話…
な、何だろう。凄い。
噛み合っていなかった歯車がカチッと音を立ててはまっていくような…
だけど、残念なのが…


『あのさ、この全体の話って…』

「うん!只の仮定の話だね!」

『ですよね』


そう、あくまで仮定の話であって、全部本当かどうかは分からない。
そもそも私が狙われてるって話が、本当なのかは分からないが用心に越したことはない。


「それにしても、この村の昔話って少し変わってるよね。はっきりとした主人公が居ない所とか、ハッピーエンド感が無い所とかさ」

『あー、うん。登場人物なんて、旅人とか村人ってだけで男か女かも分からないし。旅人は何者だったのか…突然現れた怪物と関係はあったのか…とかね』


この話は謎が多い分、読み手の想像力を掻き立てる話だと思う。
小さい子どもには難しい話かもしれないけど、私はこの話が好きだった。
何と言うか、颯爽と現れた旅人が怪物を倒して颯爽と去って行く…カッコいい!!って。


『…あ、ああぁぁあ!!』


突然の叫び声に驚くチョロ松。


『買い物忘れてた!!早く行かないと!!』

「そうか。じゃあ、僕も行こう。廉のお目付け役…だからね」


ちょっとツッコミたい所もあるが手伝ってくれるなら有り難い。
廉達は急ぎで、買い物という任務を遂行するのであった。
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