第4章 霊力
~おまけ~
2人で買い物をした帰り道での事。
『ごめん、重い物持ってもらっちゃって』
日も大分落ちてきた。
もうちょっと急いだ方が良いか。
「これくらい。どうってこと無いよ。
そ、それに、女の子にこんな重いの持たせ…られないし…」
『?…最後の方良く聞こえなかった…もう、一回言ってくれない?』
「ファぁあ!!やっぱりなな何でも無いよ!!」
あぁ、そんなに買い物袋揺らさないで欲しい…
と言うか、動揺しすぎ。一体何を言ったんだか。
『…あ、そう言えば話戻るけど。奴等って何で最近になって動き出したんだろ?』
進めていた足を止め、ふとした疑問を口に出してみた。
チョロ松は小さく咳払いをした後、私の隣に並んだ。
「分からない…でも、何かの考えがあっての行動だと思うし、油断はならないね」
『んー…あ、もう一個質問いい?』
「うん、歩きながらね。で、質問って?」
『あのさ、奴等ってさっきから呼んでるけど。何か別の分かりやすい呼び方ってないのかなって』
「え…いや、まぁ確かにそうだけど…」
チョロ松は訳が分からないと言うように、への字の口を更にへの字にした。
『…何と言うかもっとこう…秘密結社ダークゼイション!!とか』
「ナニソレ。却下」
『…カッコいいと思ったんだけどな…じゃあ、謎の組織レッツェル!』
「何でかっこよさ求めてんの…却下」
チョロ松は面倒くさそうにタメ息を吐き、しょうもないとでも言うように鼻で小さく笑った。
「はい、この話は終了ー。さっさと行くよ」
『…じゃあ違う質問』
今度は何…とジト目を向けるチョロ松。
『何で、私を守ろうとするの?』
「!!…そ、それは!!えっと、その…」
え、何で動揺…?
あ、縄張りを荒らされてるんだっけ。
で、その縄張りの平穏を取り戻すため奴等の企みを阻もうとしてる…だから奴等から狙われてる私を監視してるのか。
あー、じゃあなんだ…チョロ松達が平穏を取り戻したら私は…
『喰われんのか…』
「くくく喰われる!!?ぼぼ僕がっ…廉ちゃんを!?いやいやいや、僕達まだそんな!!」
チョロ松はボンッ!!と頭から煙を出した。
え…何でそんなに顔赤くなってんの?
あーあー、買い物袋が……
んー、この様子だと喰われる恐れは無さそうか…?