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妖からの贈り物【おそ松さん】

第4章 霊力



『あかつか村の?』


何で急に昔話?
確かこんな話だったような…



……



むかーし、むかし


あるところに、小さな村がありました


村人達は仲良くのんびり暮らしていました


そんなある時の春、一人の旅人がやって来ました


旅人は村人に


「この村に宿はないだろうか。あれば、泊まらせていただきたいのだが」


と言いました


それを聞いて、村人は困ってしまいました


この村には生憎、宿屋はありません


旅人の顔は笠で見えなかったのだが


きっと長旅で疲れているだろうと思った村人は


自分の家に泊めてあげる事にしました


そして、旅人がやって来たその夜


皆が寝静まったころ


突然、ドーン!!と雷が落ちました


その大きな音に村人達は驚き外に飛び出しました


空を見上げるとそこには金色に光る


大きな輪っかが浮かんでいました


するとその輪っかがピカッ!!と光り


目の前に大きな怪物が現れたのです


頭には大きな角


背中には大きな羽


目は赤く光っていてとても恐ろしい姿でした


すると突然、何処からか飛んできた


金色の紐が怪物に巻き付きました


怪物は


「グオォォォオオ!!」


と叫ぶと、辺りは一瞬にして光に包まれました


村人達は目を開けると怪物は消えていました


空は金色の輪っかが消え


真ん丸の月が輝いていました


次の日の朝


村人が旅人に貸した部屋を訪ねると


旅人は消えており


机の上にポツンと手紙が置いてありました


手紙には


"ありがとうございました"


とだけ書かれており


村人はその手紙を手に取ると


桜の花びらが1枚


ヒラリと落ちました


……


『…て言う話だったと思うけど…この話がどうかしたの?』


何故この話が出て来たのかは分からないが、昔私がまだ小さい時におばぁちゃんに良く話してもらった覚えがある。

私が1人昔を思い出していると、チョロ松は小さく笑みを溢した。


「…そうだね…確かに今回の事と一見無関係に思える話だと思う。
…でもさ、こう考えるとどうだい?…この話は、"実話"だって」
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