第4章 霊力
『んで、何で…えーと悪い奴等が私の霊力を狙ってるの?』
私、只の人間だし?妖が視えるって事以外だけど…超能力みたいなのも使えないし。
すると、チョロ松はビシッと指を指した。
「そう、そこなんだ。
…いいかい?人間は人によって霊力がある人とそうでない人がいる。
でも、霊力があると言ってもその力の"強さ"によって僕達の視え方が異なるんだ。
弱ければ視えないし、強ければガッツリ視える」
『…と、言うことは私はその力が強いってこと?
触れるし』
そう答えると、チョロ松は深く頷いた。
「うん。尋常じゃない位にね。
興味本意で廉に近付こうとする妖もいる位だし」
『…なるほど…じゃあ、私の力を何に使おうとしてるの?』
力の使い道によっては、話し合いで済む話しかもしれない。勿論、いい方向でだ。
「それなんだけど…実はまだはっきりとしたことは分からないんだ。でも、良くない事を考えているのは間違いない」
間違いないか…何か根拠でもあるのだろうか?
「…実は、ここ最近。僕達が縄張りとしている所があるんだけど、そこで消えているんだよ…」
『…な、何が…?』
チョロ松の真剣な雰囲気に、周りの空気がピリッとする。
ゴクリと唾を飲み込む。
「"妖"だよ」
『…"妖"が?』
"何処かへ行った"とかではなく、"消えている"というのが引っ掛かる。
「うん。昨日は居たのに、次の日には居なくなってるっていう感じでね。それが何日も続いてる。
…だから、僕達の推測だとその消えた妖達の力を使って、何かの召喚。もしくは封印されていたモノを解き放とうっていう魂胆なんじゃないかってね」
…召喚。解き放つ。
確かこういうのって漫画とかだと、凄い膨大な力が必要だったりするよね…
だから私が狙われているのか…?
「…で、廉はこの村の昔話って知ってる?」