第4章 霊力
~チョロ松side~
僕は人間の女の子に恋をした。
━━と言うのを先程廉の祖母に知られてしまった。
満面の笑みで僕の前に座る廉の祖母は、僕の返答を待っている。
「…は、はい」
意を決して出た言葉は、この一言だけだった。
何と言うか…恥ずかしい。
きっと今の僕の顔は赤くなっているのだろう。
「やっぱりね!」
廉の祖母はふふっと悪戯っぽく笑った。
でも、僕には1つ気になった事があった。
「あの、何で……分かったんですか?」
「ふふっ、"女の勘"よ!」
お、女の勘か。恐るべし…
「それに、チョロ松さん。廉ちゃんの事目で追っていたからね~。分かり易かったわ」
「ええ!!」
僕って、そんなに廉の事目で追ってたのか。
まぁ、今日は僕が廉のお目付け役だから仕方ないとは思うけど……
ん"ん"っ…やっぱりクソ恥ずかしい!!
はっ…もしこの事が廉にばれたら!?
恥ずかしすぎてケツ毛燃えるわ!!
…いや、待てよ。もしかして、それが切っ掛けで"実は私も…"っていう展開になったりして!!!
それからあんな事やそんな事になってー…
……
うん、ないわ。ないない。
……うぅ、自分で言っといて悲しいとか…実際には言って無いんだけど。
でも!少し位はそういう妄想したっていいよね!?
頭の中だけだからさ!!
それにしても、今日の廉ちゃん。一段と可愛かったな~!!はぁ~~んっ!!僕の目を見つめちゃってさ!!可愛すぎかよ!?
………あ。
「あら、噂をすれば!…ふふふ、じゃあ私は本の続きでも読んでこようかねぇ」
そう言って廉の祖母はちゃぶ台に手をついて立ち上がり、居間から出て行った。
「えええっ!!ちょっと!」
『…何かあった?』
廉は洗濯物の山を畳みに下ろし座った。
「ええ!?あ、いや、何でも…ないよ」
自然と鼓動が高まったが、何とかして平然を装った。