第4章 霊力
━━という訳で、おばぁちゃんの提案により4人(1人は妖)で昼食を食べる事になった。
私を含めた4人はちゃぶ台を真ん中に囲み、昼食のそうめんを啜る。
会話は主に3人で、私は時々相槌を打つ感じだ。
昼食を終えると、おばぁちゃんは食器洗い、翔太君は勉強の続き、チョロ松は読書、私は洗濯物をせっせと取り込んでいた。
2人分の洗濯物を取り終え、今度は畳もうと家に上がろうとするとふと、キィーと軽いブレーキ音がした。
振り向けば、自転車に乗った2人組の見覚えのある男子中学生。
2人とも此方に気付いたのか、軽く手を振られた。
「あのー、そちらに翔太がおじゃまになっていませんかー?」
『あぁ、いるよー。ちょっと待ってね』
私は縁側から家に上がると、急ぎ足で居間に向かう。
勢いを付けすぎて、襖をスパンッと開けると居間にいた2人は同時に視線を向けた。
「翔太君、友達が来てるよ』
事を短く説明すれば、翔太君は少し目を見開き小さく呟いた。
「いっけね、忘れてた」
翔太君は勉強道具をしまい、急いで玄関に向かった。私もそれに付いて行った。
ガラガラと引き戸を開けると、前にはさっきの2人組が待っていた。
「おっ、やっと来た。おせーぞ」
「翔太、約束忘れてただろ」
「あぁ、忘れてた」
その会話を何気無く聞いていたら、翔太君が不意に振り返った。
「おじゃましました」
『また、何時でも来てね。おばぁちゃん、喜ぶからさ』
笑顔でそう答えると、翔太君は口の端を少し上げた。
「おう。今度は、煎餅か何か持って来る」
そう言うと、翔太君は友達の方に近付いて行った。
待っていた2人はペコッと此方に頭を下げ、3人で歩いて行った。
何故か翔太君は2人に肘で小突かれていたが、何やら楽しそうだった。