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妖からの贈り物【おそ松さん】

第4章 霊力



すると、チョロ松はため息を吐き言った。


「2人共、もうちょっと声量落としなよ。2階まで聞こえてきたよ」

『う…ごめん』


そう答えて、はっ…と気付いた。
今は、翔太君もいる。

しかし、その心配は要らないようだった。
私がチョロ松の言葉に答えた後、翔太君は後ろを振り返ったのだ。
そして、チョロ松に指を指し大きな声で言った。


「あーー!!!お前、昨日の!!」


昨日の?…十四松と勘違いしているのかな?
…そう言えば、確かにあの妖達って良く似ているような…


「十四松?…それは僕の弟だね。良く似てるって言われるよ。もしかして、君が翔太…君?昨日は弟と一緒に遊んでくれてありがとう。あいつ煩かったでしょ?いつもあんな感じなんだよ。…でも、昨日の事は本当に嬉しそうに話していてねって……どうしたの?」


翔太君の顔を覗くと、ぽかんと口を開いていた。
それに対し、私は苦笑いを浮かべた。

…チョロ松ってこんなに喋るっけ?


「…いや、その、すみません。確かに…違い…ますね」


翔太君の聞き慣れない敬語に、思わず小さく吹き出してしまった。
それを聞き逃さなかった翔太君の鋭い視線が突き刺さり、瞬時に視線を反らした。


「……」


口には出さないが、多分"何笑ってんだオラァ"とか思っているのだろう。
チョロ松が居なかったらどうなっていたことか…
そう考えて、廉は小さく震えた。


「あら、今日はお客さんがいっぱいね!」


声のした方を向くと、チョロ松の後ろにおばぁちゃんが立っていた。


「おじゃましてます」


チョロ松はおばぁちゃんに小さく頭を下げて言った。


「あらあら、良いのよ!…えっと、貴方は…どちら様?えーと、この前来たカラ松さんと一松さんに似ているわね…ご兄弟?」

「はい、チョロ松です。その節は2人がお世話になりました」

「いえいえ!また、いつでもいらして!」


おばぁちゃんは前で小さく手を振ると、今度は手を合わせ目を輝かせた。


「そうだ!もうお昼だし、折角だから食べて行って!」

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