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妖からの贈り物【おそ松さん】

第4章 霊力



そんな心の声も届かず、2人の勉強会が始まった。

翔太君が分からないと言っていた教科は数学だった。
私は翔太君に教科書を借り、翔太君が問題で分からない所をヒントを出して教えて行った。


『あぁ、そこはそうじゃなくて…この式を使ってー…そうそう』


翔太君は綺麗な字で、宿題を進めて行った。
いつも怒っているようなイメージのある翔太君が、素直で一生懸命に宿題をする姿に少し笑みを溢す。
それに気付いた翔太君は、眉間に更に皺を増やした。


「何、ニヤニヤしてんだよ」

『えっ…いやー、可愛いなーと思って…』


小さく、"ははは…"と笑うと翔太君はぶわっと顔を赤く染めた。


「お、男に、可愛いとか言うな!!」

『へ…すすすすすみませんでした!』


ビクビク震えていると、翔太君がため息を吐き私の前にしゃがんだ。


「…その…わりぃ、急に大きい声出して……だからそんな怖がんなよ」


ふわりと私の頭の上に翔太君の手が乗る。
その手はとても優しく、私の頭を撫でた。
そこで私は、はたと気付いた。
ばっと顔を上げると、顔を真っ赤に染め上げた翔太君と目が合った。しかし、直ぐに反らされる。


『翔太君、風邪!?顔赤いよ!!』


何で今になって気付いた自分!!もっと早く気付いていれば!!


「ち、ちげーよ。ばーか」


翔太君は手で顔を隠しながら、言った。


『でも、顔赤いよ?!』

「だから平気だって!!」


なおも顔を隠そうとする翔太君が心配になった。
オロオロとしていると、頭を片手で鷲掴みにされた。
何故に!?


「大丈夫だから!あんま近付くな!」

『ちょっ、髪の毛が……あ、チョロ松』


翔太君の手を退かそうと格闘していると、翔太君の後ろの襖を開けるチョロ松が目に入った。
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