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妖からの贈り物【おそ松さん】

第2章 どうぞお好きな松を




「…なぁ、聞いても良いか?
何でそんなに離れて歩くんだ?」

『あんた達が妖だから』

「そ、そうか…」


テンションの高い妖は、視るからに落ち込む。
まぁ、私が気にする事でもないだろうけど。

…と言うか…何処に向かってるんだよ!!
さっきから森の中ずっと歩いてるんですけど!?


「人間だ。こんな所に何のようだ…?」

「烏天狗様と猫又様だ…!!」

「人間がいる」


…姿は見えないけど、周りからコソコソ話声が聞こえるし…あーっ!!帰りたい!!

すると不意に一松が口を開いた。


「…別にあいつら小物だから、此方には手を出して来ないと思うよ」

「あぁ、だが万が一がある。
あまり離れて歩くんじゃないぞ。
…フッ、それともオレと手でも繋ぐか?」

『いえ、結構です』

「即答…」


会話を聞いていた一松が小さく吹き出す。


「ぷふっ……お前廉に嫌われてんな」

「嫌われてなど無い!
…廉は照れているんだ!そうだろ…?!」

『照れて無いです』


これもまた即答し、テンションの高い奴はさっきよりも落ち込んだ。
それに対し、笑い出した一松。


「…ハッはっはっ……いやー、廉最高!」

「笑うな一松!…オレだって…廉に好かれているんだ!!」


えー…何故に涙目…
しかも好かれてるって自分で言うか…

それから暫く、こんな面倒な状態が続いた。
しかし、突然前を歩く2人が足を止める。周りには木しかない森の中でだ。
自然と私の足も止まった。
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