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妖からの贈り物【おそ松さん】

第7章 ※出会いと別れ



「廉ちゃん!!兄さん達の事は覚え無くて良いからね?ねぇ、見てて」


トド松は文句を言うおそ松兄さん達を無視しながら、近くにあった野花を千切った。そしてその野花にふぅ…と息を掛けた。
すると野花は一瞬にして凍ってしまった。

それを見ていた廉は目を輝かせ、その野花をトド松から受け取った。
その様子は微笑ましく見ていると、おそ松兄さんに肩をつつかれた。


「ちょっと話良いか?」


おそ松兄さんは親指で後ろの方を差し、来いよというジェスチャーをした。
俺は後ろ髪を引かれつつ、おそ松兄さんの笑みの圧で後をついて行った。


「…何?」


俺はニコニコと笑みを浮かべているおそ松兄さんを見た。おそ松兄さんは口の端を持ち上げて、ガシッと俺に肩を回した。


「ちょおおっとおおお!!いちまっちゃ~ん!!もしかして、もしかしてだよ…一松ってロリコ…」

「んなわけあるか…」

「あだっ!!」


俺はおそ松兄さんの頬を摘まんだ。

何が言いたいんだ…


「…廉と一緒に居たのは…偶然だから」

「ふーん、カラ松でいう"ディスティニー"ってやつ?」

「アイツと一緒にすんな」

「ハハっ、怖いわー。そんな睨まないでよ~」


豪快に笑うおそ松兄さんは一息をして更に続けた。


「いやね、俺が言いたかったのは…このまま廉ちゃんと関わっていくなら覚悟しないとなって!!まあ、修行した俺達に敵う奴なんていないだろうけどな!」


おそ松兄さんの言葉に俺は目を見開いた。


「……何でそんなこと俺に言うの」

「何でって、廉ちゃんと最初に会ったのはお前だろ?」

「そうだけど……」


俺は過去の事を思い出し眉をひそめる。

昔、俺達は一人の人間と親しかった。しかしある時俺達の未熟さからその子が殺されてしまい、更にその子の家族も悲しませてしまった……
自らの行いのせいで、もう大切な人を失いたくない。


おそ松兄さんから視線を外し廉の方を見ると、廉は何故か十四松から正拳突きを教わっていた。

駄目だ。また人間と関わったら、同じ事を繰り返してしまうかもしれない。俺自身昔より強くなったが、必ずしも守れるとは限らない……


「…俺はもう、廉とは関わらない方が良いと思う」

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