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【イケメン革命】ルカBD記念SS【知り過ぎた日】

第1章 ルカBDSS【知り過ぎた日】



「はい、そこまで……それ以上やったら命の保証、しねーから」


低く冷静な声が響き、男たちの動きが止まった。

「面白そうなことやってんじゃねーの!……こういう時は、まず俺らを呼ばねーと、なぁ?」

楽しそうな声。銃の安全装置がカチャリと外される。

「くそっ……!キングとエースのコンビ…!!」

分が悪いことがわかったのか、男たちは両手を上げて降伏した。


(……レイ、フェンリル…!!)

ルカ顔のまま、アリスは思わず涙をこぼしそうになった。

「おいルカどうした?なんでアリスが剣持ってんだよ…」
フェンリルが二人を見て驚き固まっている。

「……説明して?」
レイはただ事ではないと悟ったのか、静かに尋ねた。

アリスとルカは顔を見合わせると、観念してレイに事情を説明した。








「………もっと早く言えって、そんな大変なこと」

レイはため息をついた。

「ごめんなさい……元はと言えば私のせいなの」
低い声なのにアリスの口調で紡がれる言葉は最上級の違和感を生み出す。
「ちょ……ルカがセスみてーでなんか不気味…」
フェンリルは苦笑した。

「そもそも何でそんな魔法グッズを使ったんだ」

(こうなったら正直に話すしかない)

「……その、相手のことを深く知れるって書いてあったの。だから……これを使えばルカの欲しいものとか…分かると思って」

俯きながら答え始めたアリスの横顔に深紫の前髪が落ちる。
一同は顔を見合わせた。

「……悪い。俺たちのせいだな」
レイがまず先に口を開いた。

「だな……アリスに余計なプレッシャーかけちまった…ごめんな!」

フェンリルがアリスの小さな肩を叩くと、青い瞳を見開いて中身のルカが固まる。
「あ……じゃなくてこっちか!わりぃ!」
慌ててルカ姿の方の肩を叩く。

するとアリス姿のルカが頬を染めて俯いた。

「……元はと言えば…ちゃんと言わない俺のせいだ……ごめん」
「ルカ、違うの!私……」

お互いが庇い合う中、レイがそれを制した。

「一旦お終い。日没過ぎたら戻るんだ、そしたら…パーティ盛り上がって、水に流そう…な?」

「………うん」

アリスとルカは同時に頷く。


兵舎へ向かう馬車の中、窓から射し込む日差しはかなり西に傾き始めていた。



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