第9章 どうして君を好きになってしまったんだろう 【Dear番外編】
「優しくなんて、ないよアレン君…
アレン君との事知っていて、何も出来なかったのは…
優しさなんかじゃない
貴方を此処まで追い詰めたのは、私にだって責任がある…」
「それを自分が傷ついて、償うつもりですか…」
リナリーは首を振って、アレンの手を握った。
「私は、アレン君が好きだから…アレン君が前みたいに笑ってくれるなら、それでいい。
傷つくなんて、ちっとも思ってないわ」
嘘。
本当はがとてもうらやましかった…
でも憎らしいとか、そんなのは全然思わなかった。
私はが大好きだから…憧れみたいな存在だった…
だから、これは自分の願望みたいなもの…
「貴方が私をと重ねて見ても構わない。
私はそれでも貴方に愛されると錯覚するのだから…
幸せよ」
リナリーの瞳から、涙が零れ落ちる
何故だろう…何故こんなに悲しいの…?
「リナリー…」
愛故に、人はどこまでも歪んでいく…
だけどきっと、誰もが悪いとは思わないだろう…
皆、共犯だ…