第9章 どうして君を好きになってしまったんだろう 【Dear番外編】
アレンは顔を上げてリナリーを見た。
「が、そんな事を…」
リナリーは、許しを乞うように縋るアレンに微笑んだ。
「人は変われるから…
アレン君がアクマを救済した様に…
もアレン君を救いたいのよ…私も」
「リナリーも…僕を許してくれるんですか…?」
「言ったでしょ?本当はアレン君が悪いとは思ってないって…」
それに…とリナリーはアレンの顔に両手を添えた。
「こんな顔してるアレン君…見たくないもの」
その時、アレンの中でリナリーの姿がと重なった。
アレンは目を伏せ、首を振った。
「僕は…まだ…」
申し訳なさそうにリナリーの白い手をぎゅっと握りしめた。
「を…忘れられない…!」
「アレン君…」
リナリーはアレンの唇に自分のそれを押し宛てた。
「んっ…」
軽く触れ、すぐに離れたそれにアレンは目を丸くした。
「リナ…リー?」
「私じゃ、駄目…?
私をの代わりとしては抱いてくれない…?」
アレンは目を見開く。
「何言ってるんですか!リナリー!」
「だって、こんなに苦しむアレンを見たくないの…」
アレンはリナリーの肩を掴み怒鳴る。
けれどアレンは首を振った。
「結局傷つくのは、リナリーなんですよ…」
「…それでも、私は構わないわ」
リナリーの瞳は揺らぐ事なくアレンを捕らえていた。
アレンはその瞳に顔を背けた。
「どうして…僕にそこまでするんです。
リナリー…あなたもと同じで…優しすぎます」
けれど、今も渦巻いてるこの欲望と言う名の感情を…彼女にぶつけたくて堪らない…
自分はもう誰も傷つけたくないのに…!