第9章 どうして君を好きになってしまったんだろう 【Dear番外編】
ーーー・・・
どうして君を好きになってしまったんだろう…
あの日、僕に微笑みかけてくれたに恋をした。
その恋は実らないとわかっていた
彼女には、愛した人がいた
けれど毎日毎晩、を想い続けていると…
ある歪んだ結論が生まれた。
心が奪えないのなら、
身体だけでも…
その頃から、僕の頭の中ではは僕に絶対服従の関係になると想定されていた。
を傷つけて、神田を傷つけて…
二人の中を裂けば、に近づく事ができる…
そう思っていた
けど…
は何も言わず僕の元から去った。
きっと解放されたかったんだ…
脅されて抱かれる、あの苦痛から
「アレン君、此処にいたのね」
先にティムキャンピーが反応し、続いてベランダで佇んでいた黒スーツの少年が振り向く。
「リナリー…」
そこには、もう以前と同じ程の長さに伸びた髪を躍らせて走って来るかつての仲間の姿があった。
リナリーはアレンに近づくと変わらない優しい笑顔を向けた。
「…久しぶり、アレン君。元気だった?」
「ええ…世界は平和になったけど、まだ後の被害に苦しむ人達がたくさんいるんで、毎日忙しいですけど」
少し疲れた様子で微笑むと、目の下の隈が目立った。
「最近寝てないの?大分疲れてるみたいよ?」
「大丈夫です。リナリーは元気でしたか?」