第9章 どうして君を好きになってしまったんだろう 【Dear番外編】
アレンくん.....
私達の運命を、
一時だけ歪ませた人…
あれから彼の顔をあまり見ていない…
罪悪感を感じて、顔を見せてくれないのだろうか…
こちらはもう、少しも怒ってはいないのに…
寧ろ、彼の事があったから私達はこうまで固く結ばれたというのに
周囲の空気が少し凍てついた中、リナリーの声がよく通った。
「来てるわ。今は外にいると思うけど」
その声にはホッと胸を撫で下ろした。
「そう…よかった」
(招待状、ちゃんと読んでくれてたんだ…)
式の招待状の最後に、はこう書いたのだ。
“私は今でも君の事は友達と思っています。
その君が少しでも私を友人と思ってくれていたなら、どうぞご出席下さい”
来てくれているのなら、もう一度あなたとの友人関係は回復できるかな?
「私、アレン君の様子を見に行って来るわ」
「うん、また後でね」
そう微笑み返してリナリーは部屋を後にした。
「…」
少し心配そうに神田がを見た。
けれどは首を振って、神田に頷いて見せた。
「大丈夫だよ、心配しないで。
ただ仲直りがしたかっただけ…」
そう、完全にはきっと戻れない。
けれどそれを機に新たな道が生まれる事を、私は知っている。
神田はふっとほころび、の頬に口付けた。
「それでこそ、俺が愛した女だ」