第8章 Dear 神田切甘裏【幸せですかの続編】
「あの、ね…ユウ。私ユウに隠してた事がある――」
唇を離し、そう口を開いたが再びユウによって封じられた。
「んぅ…っ」
苦しくて彼の肩を叩けば、唇を離して彼は言った。
「知ってた、もやしとヤってた事…」
「!?」
は目を見開いて絶句した。
いつから…?
なんで…!?
「ち、違うの…私」
浮気じゃない
違うの、ユウ
「わかってる。お前が浮気なんてしない事くらい
…リナリーに聞いた」
「リナリー…?」
神田は頷いた。
「お前の様子がおかしいって、リナリーに聞いたらあいつも同じ事思ってたらしくて、俺がいない間、お前の行動を見張ってもらってた…そしたら…」
アレンの、部屋に入ってくのを見たって…
「リナリーが…」
リナリーにまでにも気付かれていたなんて…
「あいつはあいつなりにお前を心配していた。
お前はなんでもひとりで解決しようとするだろ?
もっと回りを頼れ。
お前を必要としてるやつは、良かれ悪かれたくさんいるんだ…」
「うん…わかった…」
は再び浮かんだ涙を隠すように俯いた。
すると、神田がの頭を抱き寄せ、低く落ち着いた声で言った。
「今まで何も出来なくて、悪かった」
ううん、とは首を振った。
「アレン君にはさっき、私の本当の気持ちを言ったから、もう来ないと思う。だから、彼には何もしないで…」
「チッ、だからお前は甘いんだよ」
はあ、とため息を漏らす神田。
「まあ、だから俺はお前を愛してるんだけどな…」
そう言われると、頬を赤く染めて顔を背ける。
そんな恋人を見て、神田は静かにベッドから降りた。