第8章 Dear 神田切甘裏【幸せですかの続編】
「ひとりにして、ごめんね…」
大好きな彼の匂い、
自分の背に回る力強い腕…
全てが私の愛する人のもの…
神田は泣き付くの頭を撫で、その身体を優しく包み込んだ。
「お前がいなくなった二ヶ月、考えたのはずっとお前の事だけだった。
ちゃんと飯食ってるとか、元気かとか…当たり前の事ばかり。
それから…」
神田は身体を離し、を見つめた。
「お前の存在の大きさ、やっと思い出した…」
「ユウ…」
神田は再び、今度は強くを抱きしめた。
「もうどこにも行くな。
俺のそばに、ずっと…
俺を…」
ひとりにしないでくれ…
そう言ってすがるような神田を、も一層強く抱いた。
「うん…もうどこにも行かないよ…」
あなたのそばにいるから…
あなたがあるから、私は私でいられるの…
あなたも、そうなんだよね…?
「ただいま…」
私達は二ヶ月ぶりのキスを交わした。
最後の日、あの夜に交わしたキスは、
とても冷たかったな…
お互い、張り詰め過ぎて…
凍てついたような…