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songs(R18)

第8章 Dear 神田切甘裏【幸せですかの続編】






ーーー・・・・・・





「リナリー!」


「え、!?」



突然現れた少女の姿に、リナリーは目を丸くした。



「ただいま、リナリー」



「ど、どうしたの?どうして…」


抱き着くに困惑しつつ、そう尋ねた。
は顔を上げ、リナリーを見つめた。


「リナリー、私ね…」


「!?」



聞き覚えのある声に振り向くと、彼も目を丸くしてこちらを見つめていた。




「アレン君…」



私と、ユウの運命を歪ませた張本人…

でも、恨んだりしない。



彼の『おかげ』で、私はこの二ヶ月の間、ユウへの想いを再確認できた。




私は…



「ユウが好き。ユウを今でも愛してる…」


「………!」



アレンは、怒りの混じった瞳でを捕らえた。


けれどは、それに初めて対抗した。






「私の中に、あなたの入る場所はないわ。これから先も、ずっと…
だから」


「………っ!」


「…私達“3人”の邪魔をしないで」




この腹の中の命が世に生まれ出る時、あなたの手を握っていられますように…




「私は、ユウともう一度やり直したいの」



「さ、3人って…まさか」



リナリーの驚愕の声に、は振り向く。



「うん…ここにね」



自分の腹に、そっと手を当てる。



「ここに、ユウとの赤ちゃんがいるんだ…」


「「!!」」




それはアレンに敗北を認めさせる決定打になった。


どんな手を使って身体を手に入れても、心が通じなければ意味ないんだと…







がくっ





「アレン君!」



アレンはその場に膝を着き気を失った。


リナリーが慌て駆け寄る。




はちらりとその光景を見た後、婦長と共に踵を返した。








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