• テキストサイズ

songs(R18)

第8章 Dear 神田切甘裏【幸せですかの続編】





ーーー・・・




「へえ…この辺りが故郷なんですか」

「ええ。久しぶりに室長からお休みを頂いたんで、この桜を見に来ようと思ったのだけど…ちょっと早過ぎたかしら」


近くのベンチに腰を下ろし、そんな他愛ない話に花を咲かす。


「みんなは元気ですか?」

「元気過ぎて毎日忙しそうよ。

ただ、あなたが教団を抜けて若い子達は淋しがってたわ。


特に、リナリーなんかはね」


「そうですか…」




リナリー…


私の1番の友達だった。

でも、彼女にすらあの事の相談出来なかった。

もし、話してたら何か変わったかな…



「ユウも…元気ですか…?」


つい、聞いてしまった。



慌て口を閉ざし、ちらりと婦長を見ると、どこか悩むように眉間にシワを寄せていた。




「神田君の事なんだけどね…」


「ユウが…どうかしたんですか…!?」


悪い予感がして、身体ごと婦長を向く。



婦長は最初、私から目を反らしていたが、息を着くと、ゆっくり話し始めた。
















「ユウが倒れた!?」


「ええ…五日前、任務先で意識不明になって、今は教団の医務室で眠っているの。


…彼、あまり見てないけど、最近やつれていた気がしてたの。
けど、心配要らないとか言って、仕事してたわ。

…眠っている間、あなたの名前を何度も呼んで、うなされていたわ。」



頭が真っ白になった。




私のせいだ…



「私のせいで…」


「そういえばあなた達、恋人だったのよね?どうして別れたりしたの?」



ビクッと身体が跳ねた。


怯えた様子で婦長を見ると、心配そうな顔があった。



「何かあったの?私でよければ話してくれないかしら…」




私はしばらく考えた後、重い口を開いた。










/ 412ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp