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songs(R18)

第8章 Dear 神田切甘裏【幸せですかの続編】







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「っ…妊娠…ですか…?」

「はい、おめでとうございます。もう二ヶ月になりますよ」


最近、妙に体が熱っぽかったり、腹部の調子が悪く、やむを得ず近くの病院に行くと、待っていた医師からの言葉はとんでもないものだった。







妊娠…?




まさか…




ふと蘇ったのは二つの顔。


互いの求めるものが身体だと悟り別れた元恋人、ユウ。
そして、ユウと別れる原因となった白髪のアレン。



私は二ヶ月前まで、ある事件でアレン君と身体を重ねてしまった。その事で悩み、感情をユウにぶつけて傷付けて…


最後には別れる事となった…




忘れかけようとしていた出来事を、再び鮮明に浮かび上がらせた。



(アレン君…違う、彼は初め以降、膣中に出す事はしなかった)








じゃあ、やはりこのお腹の中の命は……








「ユウ…」




間違いない
けど、どうしよう…




「どうされました?気分が悪くなりましたか?」


「あ、いえ…何でもないです…」





母子手帳をもらい、私は病院を後にした。





堕ろすわけにはいかないわ…
せっかく宿ってくれた命だもの。



かと言ってひとりでは育てられない…




「ハア…」




いっそ教団に戻ってユウに話してしまおうか…




けれど、一度別れた相手にそんな事言われたって、困るかな…







日本の春によく咲くらしい美しい花、桜はもうすぐ花開く。



この桜が開けばきっととても美しくなるこの道を、私は呆然と歩いている。






「あら、あなた…」



前方から聞いた事のある声がした。




「え…?」


「…ちゃん?」



50~60代前後の初老の女性。


鉄のように硬い表情をしているが、



実はとても心優しい―――黒の教団の





「婦長…?」






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