第6章 オキザリス 神田切裏
キィ、と静かに扉の開く音には目を覚ます。
いつの間にか眠ってしまっていて、辺りは暗く、満月が浮かんでいる。
はっとして身体を起こし、入って来た影に身構える。
「…ユウ?」
「鍵くらい掛けとけ、物騒だろ」
顔は見えないが、呆れたようなため息と声で相手が彼だとわかる。
「全くお前は無用心だな」
不器用な心配の言葉を掛ける神田に、は飛びついた。
「…?」
「ユウ…会い、たかった…っ」
安堵の涙が零れた。
いつもはこんな風に甘えて来ないの様子を気にも留めず、神田は愛しい少女の頭に手を乗せた。
「ただいま…」
は黙ったまま、強く強く神田を抱きしめた。
「ユウ…」
「…悪い、先にシャワー浴びて」
「いいから!…このまま抱いて」
神田はしばし黙った後、無言での顎を上に向かせた。
月光に照らされながら、の涙が頬を伝っていく。
「何かあったか…?」
「………」
「俺に出来る事があれば「なら早く、私を抱いて」
違う、そんな事が言いたいんじゃない…
そんな愛のない言葉を…
私は望んでるわけじゃなかった
「ふ…ぁっ…ん…」
あらわになった胸元を、神田の舌が這う。
私は、ただ―――
「…」
ズッ…
「あああっ…ん…ユウ」
気付いて、ほしいの…
辛い、辛いよユウ…
胸が張り裂けそうだよ…
私達はこんなにも深く繋がっているのに、心は通じてないの?