第6章 オキザリス 神田切裏
ガララ…
「うわ…薄暗い…アレンくん、電気付けてくれる?」
「すみません、ここ、あまり使われていないらしくて…電気が無いんです。」
「しょうがないなあ…猫ちゃーん、出てきてー!」
こう薄暗いんでは目で捜すのは困難と判断したは声を聞いて居場所を突き止める事にした。
「にゃーお…にゃーお…」
同族と思わせる為、は猫の鳴き声を真似て呼び掛けた。
「アレンくーん、そっちにはいたあ?」
前方を向いたまま、アレンに尋ねた。
「ああ、見つかりましたよ」
アレンの返答に驚いて振り返る。
と、世界が逆転した。
ドサッ
「え?」
いつの間にか、自分の視界がアレンを占めていて彼が自分に覆い被さっている格好だった。
「あ、ごめんね?私、ひっくり返ったのかな…」
心当たりは無いが、さもないと彼がこんな事をしている理由がない。
けれど、アレンはニコリと弧を浮かべたままであった。
「アレン…くん?」
その変わらないポーカーフェイスが気味悪くなった頃、は恐る恐る彼に声を掛けた。
「捕まえるのが大変でしたよ、僕の猫さん…でも」
アレンの銀の瞳に、の姿が映し出された。
「やっと、手に入れた」
の顎を固定し、唇を近づけて来た。