第5章 キセキ アレン甘裏 【fatedの続編】
ラビは泣いている少女の姿に小さく微笑み、静かな森に向かって言った。
「聞いたさ?アレン。の気持ち」
「…ぇ?」
泣くのを止め、不思議そうにラビを見上げる。
ラビはニッコリと微笑み返す。
すると、森の木々の間から見知った白髪が現れた。
「ア…レン…?」
目を見開いてその人物を捕らえる。
アレンは、月の下で苦笑いを浮かべてを見た。
「ち、違うの!ラビとはただ話をしてただけなの!本当に…」
ラビと一緒にいる事に、変な誤解を招きたくない一心で、
は必死に説明する。
そんな彼女の隣で、ラビはおかしそうに笑う。
「、違うんです。ラビには少し協力してもらっていたんです」
「え?」
「だーかーらっ、アレンもと似たような事考えてたから俺が相談に乗って、の本心を聞いたんさ!」
はぎょっとして、ラビを見た。
という事は、最初からそのつもりで…
「まっ、後は二人で何とかなるだろ?邪魔者は消えるさ♪」
と、ラビはその場を後にして、後には沈黙が残った。
「すみません、。こんな形で、あなたの心を探ってしまって」
「………」
何と言えばいいのだろうと、の脳内は混乱していた。
「ラビに、の事で相談したんです」
「…?」
顔を上げるとアレンは頬を僅かに染めて、躊躇いがちに言った。
「その、の事好きで好きで…抱きたくて、堪らないんです」