第5章 キセキ アレン甘裏 【fatedの続編】
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「いってえ…」
「ラビが悪いのよ、そんな事聞くから」
近くの岩に座って腫れた頬に濡れタオルを当てるラビの隣で頬を膨らませ、そっぽを向いた。
「何だよ~けちけちすんなって」
「そういう問題じゃない!大体、アレンとはあれから何にも…」
意外な答えを聞くと、ラビは目を丸くした。
「へっ?マジ?」
「あれからお互い任務で忙しかったし、彼は…あんまりそういう事頻繁にしたくないんだと思う…」
「俺だったら、こんな美人な彼女いるんだったら、毎日してもいいのにな」
口端を吊り上げて、ラビはを覗き込む。
「冗談よして。本当に悩んでるんだから」
確かに、自分が教団に来てからアレンも自分も任務が忙しく会えない日々が続いている。
けれど、そんな忙しい日々でもほんの少しは、二人が同時に息を付ける時間はあった。
自分はてっきりこんな僅かな時間にアレンは自分を求めて来るんじゃないかと思っていた。
けれど、彼はいつになっても抱きしめる事はあっても、を抱く事はなかった。
にとって、アレンは自分の運命を変えてくれた人。
同時にかけがえのない愛しい存在だった。
あの日、二人手を繋いで帰った時、この恋は永遠、そう思っていたのに。
「私を嫌いになったのかなって、思うようになった。嫌いになったから、求めてこないのかなって…でも、そう思えば思うほど、私はアレンを好きになっていく。私に向ける優しい笑顔が好きで、大好きで…」
ぽろぽろと、涙が零れていく。
「アレンに聞きたい、何故って。
アレンに言いたい、好きだって。
でも、なんでだろう…こんなに好きなのに…」
彼からの、愛が聞きたい。