第4章 fated アレン切裏
キュッ…
の小さな手がアレンの団服をぎこちなく掴む。
「私を救い出すって…本当?」
自身から、アレンは救い出すと言った。
そのことがの頭の中で延々と繰り返されていた。
あれはただの成り行きじゃない?
ただ流されただけじゃない?
信じても、いい…?
「はい。…僕を信じて」
のか細い手を取り、力強く包む。
貴方を救い出す。
貴方を縛っていた孤独と罪の檻から…
「…っ!」
の瞳から涙が零れ、頬を伝った―――
それさえも美しいと思ったアレンは、
指を彼女の頬へ持っていく。
そして優しくその涙を掬う。
その時、何とも言えない熱い感情がアレンの中で渦巻いた。
「…僕は貴方が――」
重ねた手に力を込める。
さっきより、の瞳が近くに感じた。