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songs(R18)

第32章 ep6 繋心のワルツ






―――…


身分違いだなんてわかってる。

でも貴族も庶民も…


恋に落ちれば同じ…



貴方が、好きです。

不器用な優しさも、たまに見せてくれる甘えも…

いつも自信に満ちたその背中も…

全部、大好き…。



「ユウの顔、とても幸せそうね」

「も照れすぎさ。でも、幸せそうさ…」

柱に寄り掛かり、ラビとリナリーは会場の一番真ん中で踊るユウとを見つめていた。

周りで踊る貴族達も、まるで彼らを引き立てるような踊りをしていた。


「大分慣れてきたか?」

「う、うん…っでも、まだ離さないでっ」

そう言って懇願する少女に、ユウは微笑んだ。

「馬鹿。ダンスで突然手を離す男がいるか」

「じゃあ絶対…っ絶対離れないでね」

そう言って自分を見上げる少女が愛しくて、ユウは腰に回した手と、繋いだ手に力を込めた。


「…?」

「…鈍感過ぎるから、一生気付かねぇのかと思った」


繋いだ手が、温かい。
そこから、彼の想いが流れ込んでくる気がしては口に孤を描いた。


「ラビのおかげよ」

「よりによってあいつかよ…」

と、ユウはから顔を反らし、心底面倒臭そうな顔をした。

「借りが出来た、な」

そう呟くユウの顔はどこか嬉しそうで、はその顔をいつまでも見ていたいと思った。



突然、ユウが自分の身体を引き付け、彼の胸により一層密着した。

「ユウ…?」

「お前の事、離さねぇ…」

それは切実な誓い。
ユウは真っ直ぐにを見つめた。

「絶対にな」

そう言ってニヤリと口端を釣り上げるユウ。

次第にその唇が、近づいて来るのを気付くのに、少しばかり時間が必要だった。


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