第32章 ep6 繋心のワルツ
「ぇ…っ!?」
は目を見開いたまま、ユウの行動を目のあたりにした。
(こんな…人前で…?)
ギュッときつく瞳を閉じる。
彼の吐息が乾いた唇に触れる所で、その動作は止まった。
「………?」
は恐る恐る瞳を開き、彼を見上げた。
するとユウは不敵に微笑んで、言った。
「待ってやる」
「…へ…?」
「お前がちゃんと、許可するまで…それまで我慢しててやるよ」
“お前を、傷つけたくねぇからな…”
やっぱり、貴方は優しいね。
本当は、もっと、もっと…
貴方を感じていたいの。
でも私はまだ、
大人じゃないから…
ねぇ、ユウ、どうしたら…
2年という歳の差は埋められる?
こんなに早く、大人になりたいって思うなんてね…
でも貴方は、いつものように舌打ちして…
“無理に背伸びすんじゃねぇ”
そう言って、私の頭に優しく手を置くんだろうな…
ああ、貴方が大好き…
もっと側で感じていたい…
貴方の温もり、想い…
全てを受け止めたい…
のそんな想いとは裏腹に、ワルツは盛大に幕を閉じた。