第4章 fated アレン切裏
《ザザザ…、エク…エクソシスト様っ!》
ティムキャンピーから入り口に残して来た探索隊の声が聞こえた。
「シ、シェアフさん?無事だったんですか!?」
ぱっと顔を輝かせるアレンに、シェアフの残念そうな声が届く。
《はい。先程、レベル2のアクマに襲われ気絶させられた間に洞窟に入られたのですが》
「はい、それならこちらで壊しました。イノセンスも見つかりましたよ」
そうですか、とティムから安堵の息が漏れたのが聞こえた。
《それで、そのアクマによって入り口が岩で塞がれているのです。退かすのに少々時間がかかってしまうのですが…》
「塞がれてしまったんですか!?」
突然出した声にが思わず振り返り目を丸くした。
「あ、...すみません…」
彼女の存在を忘れていたアレンは、頭を掻いた。
《?そちらに誰かいらっしゃるのですか?》
「あ、はい。…ここに女性がひとりいます。彼女がイノセンスの適合者なんです。岩が退かされるまでどのくらいかかりますか?」
《そうですね…今から教団のサポーターが来るにも時間がかかりますし、申し訳ありませんが予測できません》
「そうですか…わかりました。気をつけて下さいね」
《エクソシスト様も、女性に淫らな想いを抱かぬよう、お気をつけて》
それを聞くと、アレンは顔を真っ赤に染めた。
「な、な、な、何を言い出すんですか!シェアフさん!」
明らかに動揺してしまうアレン。そんな神の使徒の少年をシェアフは笑い、もう一度お気をつけてと言って回線を切った。
シェアフとの回線が切れた後も、アレンはただ呆然と役目を終わらせたティムキャンピーを見つめた。