第32章 ep6 繋心のワルツ
「っふぇ…っ」
「、泣くなさ。俺なんかの前で…」
泣いてる彼女も、あまりに綺麗過ぎて、抑え込んでいる感情が溢れ出そうになる。
けれどは、その愛らしい顔を綺麗に歪めて微笑んだ。
「ううん…ありがとう、ラビ。貴方のおかげで…私、凄く幸せ…っ」
(やっぱ、その笑顔はあいつのもんなんだな…)
「行くさ。ユウが待ってる」
あそこで…お前を…
「うんっ…」
行きたい、行きたいよ…
貴方の側にいたい…
貴方の特別でいたい。
はドレスをたくし上げて走り出した。
雪がはらはらと降っている。
けれどその寒さに身を縮める事はなかった。
の頭は、彼でいっぱいだから。
早く…早く貴方の元に戻りたい。
好きで、好きで…
側にいたくて…
“…ここにいろ…”
貴方が熱を出した日…
きっと、あの頃から私達は何かが変わっていったんだろう。
今、それがやっと形になって…
気付いたら止められなくて…
今、私は真っ直ぐに走ってる。
貴方の元へ…