第32章 ep6 繋心のワルツ
初めて逢った時、彼は氷のように冷たかった。
自分がなくしたロケットを探して熱を出した時、彼は初めて自分に甘えてくれた。
花をいけてくれとも言ってくれたし、大雪の中、自分を捜しに来てくれた…
自分が熱を出した時も、ずっと側にいてくれたし、いろいろ看病してくれた…
デビットに絡まれていた所も、助けてくれた……
「私が…側にいたから…?」
唇が、震えている。
「ユウ、口には出さんけど……にはずっと側にいてほしいと思ってるさ」
「え…?」
再び沈黙が訪れる。
ラビはハァ…と溜め息をつく。
の頭に乗せていた手が、ずるり。と滑り落ちて、ラビの腰に当たった。
「………やっと、自分の気持ちわかったのに…そりゃないさ~」
がっくりとうなだれるラビ。
どうしてこの少女はこんなにも鈍感なのだろうか…
けれど当のは真剣な眼差しで、ラビの言葉の意図を探る。
けれど探るのも気持ちだけで、疎いには到底理解できなかった。
仕方なく、ラビはを見据えた。
「ユウは…に、特別になってほしいんさ」
「特…別…?」
私が…彼の?
“特別”…?
「ここまで言えば、もうわかるさ?ユウの気持ちも、自分が何をしないといけないのかも」
涙が、幾つも溢れて来る。
けれど、先程とは全く違う。
温かくて、優しくて…