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songs(R18)

第31章 ep5 君の特別





「ラビも、同じだと思うわ」

「……?」

「ラビも、いつも笑って…私達には素顔を見せてくれない」

薄々気付いていた。
彼が、心から笑わずに笑みを浮かべている事はしょっちゅうある。


ラビは黙った。
黙ったまま、の言葉を聞いていた。

「疲れない?もっと…素の貴方を出してほしいわ」


はそっと、ラビの頬に触れた。
ラビは目を見開いて、を見つめていた。

そして暫くすると、無表情での手を掴んだ。


「…ラビ?」

「なーに言ってるんさっ俺はいつも楽しいから笑ってるんさ~」


そう言って満面の笑みを見せるラビ。


「え…?」

思わぬ彼の態度に、は混乱する。
そんな彼女の頭を、ラビは優しく撫でる。

「ま、心配してくれて…ありがとさ。まじ元気だから」

そう言ったラビの表情に、影があったのを見つけたが、彼が頑なに暴かれるのを拒んでいる気がしたので、気付かないフリをした。

「う、うん…」

「さ。何か食いに行くさ?美味いもんいっぱいあるさ~」

そう言って再び中へ入っていくラビ。

は慌てて後を追った。
ちらりとユウを見遣ると、彼は確かに、不似合いな笑みを浮かべていた。




ロードの次に花をまた挿してくれと言われた時…


(私に微笑んでくれた時は…あんなのじゃなかった…)


もっと優しくて、もっと安心できるような…

そんな微笑み…


自分には、見せてくれた笑顔。
それが本当の笑みなら…


(少しくらい、期待してもいいのかな…?)


専属メイドという地位が与えられた事も…

貴方の特別になれたという事と思って…




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